深い場所
神田将さんのリサイタルに行かせていただいてから一夜明け、もう正午も近いというのに未だ泣いてます。
楽しみにしていたことが終わってしまった“残念だ”という涙ではなく、余韻から抜け出せずに気持ちが覚めやらない涙です。
本当は書きたいことがたくさんあるけれど、神田さんは私から見れば雲の上の方ですから伝わろうはずも無いですし、聞かされた所でお困りになると思うので少しだけにしておきますが
“私のすべてが報われ、昇華されたような気持ちになりました”・・・と、いうこと。
前半だけでも、私も含め周りの女性たちもみな口を揃えて言っていましたが、
“魂持ってかれた”という言葉が飛び交っていましたし、本当にその通りでした。
演奏されたすべての曲が宝物のように輝いておりますし、それだけ強烈な印象だったのです。
リサイタルの中身については、私がどれだけ文字や言葉にしても伝わりきるものではなく、あの時あの場に集った皆様としかきっと分かり合えることはないと思います。けれど、確実に言えることは、深い感情まで揺さぶってくれますよ、本当にお薦めしますから是非とも演奏会にお出かけくださいという事です。
私も、もっと早く存在に気づきたかったです・・・。本当にそこだけは時間が過ぎてしまっているので取り戻せません。
ほぼ同年代なのに、もっとたくさん当時の演奏も聴けたのではないだろうかと残念でならないのです。私が気づいたときにはもう私の横をいつもすれすれで通り過ぎていらっしゃって、私ついさっきまでそこにいましたよ?という事が全国の何か所かであった事を、ずっとずっと後に毎日書いていらっしゃった旧ブログで知ったのです。
と言うのも私は一時、自分には音楽の才能などない。こんな天才ばかりの世界ではとても生きていけない・・・と絶望して完全に離れた時期があるからです。
神田さんが精力的に全国を周っていらっしゃったのは丁度その時期に当たっています。
私はすっかりもう一つの道で自分の位置をある程度作ってしまっていて、信頼もされ、愛され、可愛がられていました。一人で放り出されても難があっても越えられる自信も持てていて、もうそれで生きるのだろうと思っていた時にまたタイミングの偶然が重なり、音楽の扉が開いてしまったのです。鍵も捨ててしまったのに、どこかにあったマスターキーで、という感じで。
私はそれに一週間で答えを出しました。そして本当の素直な気持ちに尋ねて、受け取ろうと思ったのです。
そんな時にひょんなことから神田さんの存在をYouTubeで知ることになります。
jet育ちなのですから、ヤマハのプレイヤーさんなら沢山拝見する機会がありました。でも全然聞いたことがなかったのです。先日も恩師に私にブランクがあるせいで知らなかったの?尋ねても、そうではない、先生だって知らなかったと話してきたところです。
熱をもってエレクトーンと神田さんのことを語る私の表情に恩師は本当に嬉しそうな笑顔を見せてくれました。
もっていったフライヤーの写真と月刊エレクトーンに載っている記事を見つめて“かわいい”先生も聴いてみたいなんて言って。
大の大人の男性に可愛いはいけませんが、私も恩師もいい歳なので(笑)
神田さんの旧ブログも現在のブログもすべて拝見させて戴いていることは、以前なんらかの記事で書かせていただいた気がしますが、丁度私がオーディション前にみかけて随分と救われた気持ちになった記事があります。
2012年の5月7日の記事です。これがあったから私は前に進めたのかもしれません。
それぐらい私には人生を変えてしまうほどのパワーをもっていらっしゃる方です。
演奏者と一観客。それだけの関係ですが、私は本当に本当に感謝しております。
最後から二曲目。
人生で何本かの指に入る程に嬉しかったな。。。これからなにを楽しみに生きたらいいだろう。
・・・なんて、言っていられません。みんなとレッスンのために生きますよ!さ、練習練習。がんばるよ?!(笑)
それに、きっと私のもつ何かがお役に立てる時がきます。
恩師は私にすべて一つの道になる時が来ると、そう言ってくれました。
私もそう信じています。
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